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中村 幸治; 芳野 隆治; 閨谷 譲
22nd European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 19C(PART 1), p.225 - 228, 1995/00
TSCコードを用いて、JT-60Uディスラプション時に観測される垂直位置移動現象(VDF)の発生機構を調べた。主たる機構として、(1)JT-60U真空容器の上下非対称構造に起因する上下非対称分布の渦電流による垂直方向バランスの喪失、(2)渦電流磁場による磁場指数nの悪化、を明らかにした。縦長楕円の高非円形トカマクでは後者の機構が支配的であるのに対して、前者の機構は楕円度の低いトカマクでの主要VDE機構である。しかも、プラズマの平衡位置を最適化することで、VDE発生を緩和し得ることを明らかにした。
上原 和也; 雨宮 宏*; JFT-2Mグループ
22nd European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 19C(PART 1), p.397 - 400, 1995/00
トカマク境界プラズマの分布測定のため、測定効率の良い歯ブラシプローブをJFT-2M用に製作し、測定を開始した。この歯ブラシプローブの構造、初期データ及びデータから得られる輸送係数の評価法について発表する。従来の、一本の静電プローブを用いた分布測定では、放電毎にプローブの位置を移動させて測定を行う必要があった。本歯ブラシプローブは、理研方式の非対称プローブ(3mm)を5本、10mm間隔で歯ブラシ状に並べた構造をもち、一放電で分布データを取得できる。また従来のプローブ測定では、電子温度と密度だけを測定していたが、本プローブではイオン温度も測定可能である。このプローブをオーミックプラズマに適用し、初期的なデータが得られた。またこれらのデータから境界プラズマにおける輸送係数が評価できることを示した。
西谷 健夫; M.Hoek*; 原野 英樹*; G.A.Wurden*; R.E.Chrien*; 磯部 光孝*; 飛田 健次; 草間 義紀
22nd European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics,Vol. 19C,Part II, 0, p.2.061 - 2.064, 1995/00
ロスアラモス研究所との協力により、シンチレーションファイバを使用した中性子検出器をJT-60Uに取り付け、DDプラズマ中で、トリトン燃焼により発生する14MeV中性子の時間変化を10msの時間分解能で測定することに成功した。NBI停止後、14MeV中性子強度は指数関数的に減衰し、その時定数は典型的な高p配位において400~500msであり、古典的減速理論に基づく解析を行った結果、拡散係数として~0.05m/sが得られた。講演では、トリトン燃焼に与えるリップル損失の効果及びMHD不安定性の効果についても述べる予定である。
竹治 智; 鎌田 裕; 小関 隆久; 石田 真一; 滝塚 知典; 閨谷 譲; 徳田 伸二; JT-60チーム
22nd European Physical Society Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics,Vol. 19C,Part IV, 0, p.4.033 - 4.036, 1995/00
JT-60Uにおいて世界最高の核融合積を達成した高ポロイダルベータ(p)Hモードは、高pモードとHモードの両方の閉じ込め特性の長所を合わせもつ。高p放電では、局所的なMHD崩壊(ミニコラプス)によるプラズマ周辺部での圧力上昇によってpコラプスが回避され、高p Hモードへと誘導される場合がよく観測されている。そこで、本研究では、ミニコラプスに着目し、そのMHD特性を明らかにすることを目的とした。実験解析の結果、ミニコラプスは高pモード時に生じる輸送障壁の形成後に起こり、その発生位置は輸送障壁の形成位置と一致することが分かった。不安定性の成長時間は理想MHDの時間スケールである。そして、理想MHD安定性解析の結果、輸送障壁の発生に伴って形成される急峻な圧力勾配に対して、バルーニングモードが不安定となることが示された。
Afanassiev, V. I.*; 草間 義紀; 根本 正博; 西谷 健夫; S.Petrov*; Kozlovskij, S. S.*; 佐藤 稔; 森岡 篤彦; 塚原 美光; 近藤 貴; et al.
Europhysics Conference Abstracts, 19C(2), p.57 - 60, 1995/00
ヨッフェ研究所との協力で準備したアルファ粒子分析器により、ICRF加熱時に発生するMeV領域の高速水素粒子を測定した。(1)検出器の特性:中性子/線に対する検出感度及び水素粒子に対するエネルギー分解能は較正結果とほぼ一致した。(2)イオンテイル温度:2倍~5倍までの高調波加熱で形成されるテイル温度は、4倍までは次数とともに上昇し、5倍で減少した。この傾向は、フォッカー・プランクコードによる計算結果と一致した。(3)ICRFパワー依存性:5MW程度で、測定した粒子束(0.3~1MeV)、テイルの蓄積エネルギーは飽和した。よりエネルギーの高いイオンによるパワー収束と加速されたイオンの損失が示唆される。テイル温度の電子密度依存性、テイル温度の減衰についても述べる。
Neudatchin, S. V.*; 白井 浩; 滝塚 知典; 伊世井 宣明; 鎌田 裕; 小出 芳彦; Muir, D. G.*; 佐藤 正泰; 安積 正史
Europhysics Conference Abstracts, 19C(Part3), p.029 - 032, 1995/00
JT-60Uプラズマにおいて、LモードとHモードとの間を遷移する際の電子及びイオンの熱拡散係数の変化e及びiの空間分布を、電子温度Teとイオン温度Tiの時間変化から解析いた。トロイダル磁場Btが4Tの高イオン温度Hモードプラズマにおいて、プラズマ中心付近のイオン温度が十分高くなった(20keV)際のL-HまたはL-H遷移において、エネルギー閉じ込め時間の1/20~1/40程度の短時間で0.2r/a0.9の領域にわたりほぼ同時にTeとTiの増加または減少が始まり、は瞬時に変化する。これは、L-HまたはH-L遷移による閉じ込め特性の変化がの時間スケールで起こるという従来の物理的描像を刷新するものである。L-HまたはH-L遷移時のeは0.75m/s程度であり、プラズマ小半径方向に増加する。Bt=4Tではi~eであり、iはBtの減少時に増加する傾向が見られた。